- 合糸(ごうし) 2~8本の原糸を1本の糸に合わせていく。合わせる糸の本数で織り上げる帆布の厚さが決定する。
- 撚糸(ねんし) 合糸された糸に撚りをかけることにより、糸の強度が増すほか、毛羽立ちにくくなる。
- 整経(せいけい) 「経」はタテの意。タテ糸を織機用に整え、1,200本~2,000本のタテ糸を部分整経機を使って200本~300本ずつに計6~10回に分けてドラムに巻き取る。さらに織機に載せるビームという巨大ロールに巻き直す。
- 経通し(へとおし) ビームに巻いたタテ糸を「ドロッパー」、「ヘルド」、「おさ」と呼ばれる織機のパーツに通していく作業を「へ(経)通し」という。タテ糸の本数だけこの作業は違う号数の帆布を織るたびに行う。
- 製織(せいしょく) シャトルカ織機にビームを載せてヨコ糸をセットして平織りする。1日8時間で50m~70m織り上げる。
- 流し検反(ながしけんたん) 織り上がった帆布は50mごとにカットされ、検反機にかけキズや汚れなどの箇所にチェックを入れて振るい落とされる。
- 畳み(たたみ) 振るい落とされた帆布を1mごとに重ねて畳む。それをさらに二つ折りにして号数ごとに積み上げていく。この形が豆腐と似ていることから、トウフタタミとも呼ばれる。
- 仕上げ(しあげ) 流し検反機でチェックされたキズの箇所を熟練職人の目で再チェックし、ヨコ糸の連れ込みなどを抜いたり、穴を補足して縫ったりする。こうして出来上がった帆布は1級品として認められ、様々な用途で使われている。
取材協力:丸進工業株式会社、株式会社バイストン